Roland(ローランド)の電子ピアノについて - メーカーによる違い

鍵盤楽器の修理・調律、音響機器の修理・メンテナンス、音楽教室(ピアノ)

   

Roland(ローランド)の電子ピアノについて

ローランドの電子ピアノの写真Roland(ローランド)という名前を聞くと、外国のメーカーかと思われがちですが、日本の大手電子楽器メーカーで、日本で初めて電子ピアノを製造したのが「ローランド」になります。

シンセサイザーや電子ドラム、アンプといった音響機器など、さまざまな楽器を作っており、電子ピアノの技術もローランドからスタートしたものが多く、世界的にも定評があります。

ほとんどのメーカーが、音量を調整するスイッチ等を英語表記にしている中で、ローランドの電子ピアノはひらがなとカタカナで表記されており、小さな子どもでも使いやすいのが特徴です。

また、電子ピアノですから、デジタルの部分にもこだわり、グランドピアノにはない機能を兼ね備えています。

ピアノを初めて練習する人のために、指番号やドレミ番号・コード名や音楽記号など、豊富な情報量でピアノを演奏しながら楽しむことができます。

曲を再生する際にはテンポを変更する事も可能ですし、練習を行っていく中で助かるメトロノーム機能や録音記録なども備わっているので、趣味として使用するだけでなく本格的にピアノの上達を願っているという人にも人気があります。

鍵盤について

ローランドは、グランドピアノ特有のクリック感を再現した「エスケープメント」機構をほぼ全モデルに採用。
音域の違いによる鍵盤の重さや、強弱の違いによる鍵盤の重みの感じ方など、多面にわたりリアルさを追求しています。

PHA-4スタンダード鍵盤 主に10万円クラスの電子ピアノ。この価格帯で象牙調鍵盤を採用したのはローランドが初めてです。「エスケープメント」も、この価格帯で楽しめます。
PHA-50鍵盤 主に15~25万円クラスの電子ピアノ。木材を使用したハイブリッド構造鍵盤で、木製鍵盤のタッチ感と樹脂鍵盤の丈夫さを両立しています。
ハイブリッド・グランド鍵盤 ローランド最高峰の鍵盤。ハンマーに指の力が伝わりやすく、より繊細な音を表現できます。ハンマー自体の形状も変更され、弾き応えも向上しています。

ローランド独自の技術により誕生したハイブリッドタイプの鍵盤は、鍵盤中央の樹脂を両側から木材で挟みこむ構造になっており、「木製鍵盤の重さ」と「樹脂製鍵盤の耐久性」を兼ね備えています。

また、鍵盤の支点にも注目し、弾く位置による違和感がないような構造が練られています。

ヤマハやカワイと比べると少し軽めに感じる鍵盤ですが、戻りが早いのでテンポの速い曲の演奏も不便に感じるようなことがありません。

強弱に対する反応がよく、滑らかな音の変化を表現することが可能です。

音について

広がりのある伸びやかなローランドピアノの音は、世界3大ピアノメーカー(スタインウェイ、ベーゼンドルファー、ベヒシュタイン)をはじめとする世界中のコンサートグランドの音を分析することで作り上げています。

立体音響も手がけている会社だけあって、小さい音やヘッドホンで聴いたときの音の立体感、強弱変化は一番といえるでしょう。

ローランドの最大の特徴は音源で、現在『モデリング音源』を採用している唯一のメーカーになります。

モデリング音源とは、グランドピアノの発音原理をデジタル技術で再現したものです。

ピアノの鍵盤を弾いたとき、内部では「ハンマーが弦を叩く」⇒「弦に振動が伝わる」⇒「その振動がフレームに伝わる」⇒「響板が響く」といった一連の流れがあって発音しています。

その流れを電子ピアノの中でシミュレートすることで、リアルな倍音や奥深い響きを生み出すことができるんです。

ただし、モデリング音源は上位モデルでしか採用されておらず、価格も一気に跳ね上がります。


ローランドは、様々な部分にこだわって電子ピアノを選びたいという人や、クラシックばかりではなくポップスを演奏することが多いという人にピッタリのメーカーです。

まず音にこだわり、オーケストラで使用するような美しく繊細な音色が出ることはもちろん、タッチにこだわりたいという人のために演奏しやすいような工夫も凝らされています。

また、どちらかというとコンパクトなモデルが多く、演奏を楽しむだけでなくデザインを楽しむこともできます。