YAMAHA(ヤマハ)の電子ピアノについて - メーカーによる違い

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YAMAHA(ヤマハ)の電子ピアノについて

ヤマハの電子ピアノの写真世界的にも有名なメーカーである「YAMAHA(ヤマハ)」。
学校の音楽室で、ヤマハ製のピアノを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

ヤマハは多数のグランドピアノを販売し、それを使用しているミュージシャンもたくさんいます。

そんなヤマハが培ったアコースティックピアノづくりの技術力は、電子ピアノにもバランス良く受け継がれています。

近年のモデルチェンジ以降、鍵盤のタッチや表現力がグランドピアノにさらに近づきました。

クラシックを中心に弾くような場合にヤマハの電子ピアノは最適で、初めて電子ピアノを購入する人や日頃グランドピアノに触れていて自宅用に電子ピアノを購入する人でも満足できるといわれます。

また、もっとも定番のメーカーと言えるので、安心感を求める方にもおすすめです。

下位・中位・上位モデルといった豊富で幅広いラインナップが魅力で、多彩な機能を搭載したアイテムが多いのも、ヤマハの電子ピアノの特徴の一つです。

中でも有名なのが、「Clavinova(クラビノーバ)」と「ARIUS(アリウス)」でしょうか。

「クラビノーバ」には、CLPシリーズとCVPシリーズがあります。

CLPは、音とタッチにこだわった機能的にはシンプルなタイプのモデルで、ピアノレッスンを主な用途としています。CVPはというと、自動伴奏機能やガイド機能などがついた多機能モデルになっています。

ピアノをこれからはじめたいという方には、CLPの機能でも十分といえるでしょう。

「アリウス」のYDPシリーズは、機能を絞ったシンプルな電子ピアノで、低価格でありながら基本性能が高く、最近人気があるようです。

その他にも、コンパクトでスタイリッシュさを追求したPシリーズや、本物のアコースティックピアノのアクションが搭載されているアバングランドシリーズ等があります。

鍵盤について

価格帯によって電子ピアノの鍵盤の仕様は異なりますが、ヤマハの鍵盤は連打性に優れ、繊細な音色表現をつけられるのが特徴の一つです。

GHS(グレードハンマースタンダード)鍵盤 主に5万円~8万円クラスの電子ピアノ。低音部は重く高音部では軽くなるグランドピアノの基本的な鍵盤タッチが再現してあり、音域によりタッチ感が段階的に変化します。上位のGH3鍵盤と比べると、鍵盤の重さは全体的に軽くなっています。
GH3(グレードハンマー3)鍵盤 主に10万円クラスの電子ピアノ。ヤマハのベーシックタイプの鍵盤です。鍵盤ごとに「ダンパーセンサー」を搭載したことで、音切れすることなく高速の同音連打ができます。象牙調仕上げで長時間の演奏でも心地よいタッチが続きます。
GH3X(グレードハンマー3 エックス)鍵盤 主に15万円クラスの電子ピアノ。GH3鍵盤に「エスケープメント」を搭載し、ごく弱い力で鍵盤を押しこんだ時にグランドピアノのようにわずかな手ごたえを感じられるようになっています。鍵盤の重さ自体はGH3鍵盤と同じです。
NWX(ナチュラルウッド エックス)鍵盤 主に20万円クラスの電子ピアノ。GH3X鍵盤と同じアクションをベースにしています。アコースティックピアノと同様に、一枚板から切り出したむく材を白鍵部分に使用した木製鍵盤で、積層タイプの木製鍵盤よりも木部のそりや変形が出にくくなっています。
グランドタッチ鍵盤 主に25万円以上クラスの電子ピアノ。NWX鍵盤と同じく白鍵にむく材を使用した木製鍵盤ですが、構造は大幅に変化し、より反応性の高いタッチ感と強弱の幅をつけた演奏が可能となっています。

「象牙調仕上げ」は白鍵のみに、「黒檀調仕上げ」は黒鍵のみに施され、どちらも長時間の練習で指が汗ばんでも滑りにくい仕上がりとなっています。

クラビノーバは、ほとんどのモデルが木製鍵盤になっており、グランドピアノのようなタッチ感が得られるエスケープメント機能も搭載されていますが、アリウスにはこの機能が付いていません。

ピアノを長く続けていくことをお考えなら、当然クラビノーバの鍵盤の方がオススメとなります。

ただ、最近のアリウスには、GH3鍵盤が搭載されているモデルもあります。この鍵盤は、2世代ほど前のクラビノーバと同じものですので、とりあえず様子を見たいという方はアリウスを試してみるのも良いのではないでしょうか。

音について

明るい音とまろやかな音質がヤマハの電子ピアノの特徴です。

グランドピアノで演奏をすると必ず音色に余韻が残りますが、電子ピアノでは余韻を残すのが難しいとされています。

しかし、ヤマハの電子ピアノは、この余韻の部分がとても巧妙で、しっかりと余韻を含みながら演奏することができます。

クラビノーバとアリウスでは、音にも違いがあります。
もともと音源が違うのと、アンプ出力やスピーカーが異なるためですが、やはりクラビノーバの方が安定感のあるしっかりとした音になります。


また、電子ピアノはヘッドホンを使用すると音が分かりにくくなってしまうことがありますが、この部分に関してもヤマハの電子ピアノはしっかりと改善されています。

実際の生演奏と同じような音を楽しむことができるといわれているので、ヘッドホンを使わなくてはいけないような集合住宅などに住んでいる人にもおすすめです。

その他にも、アンプを使用した際の出力用もスピーカーに応じた音質のグレードアップなどが可能なため、幅広く使用することができます。

ヤマハで取り扱っている電子ピアノは、アンプの出力が30ワットと40ワットのタイプがあり、使用する目的や環境に応じて変えていくと良いでしょう。