電子ピアノの寿命はどれくらい? - 電子ピアノの上手な選び方

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電子ピアノの寿命はどれくらい?

首を傾げる女性のイラスト生ピアノ(アコースティックピアノ)と比べると、価格がはるかに安い電子ピアノですが、「寿命はどれくらいなの?」という疑問があるかと思います。

電子ピアノ・デジタルピアノは電子機器ですから、その寿命については一般的な家電製品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など)と同じ考え方になります。

もっとも壊れやすいのは、鍵盤やペダルや蓋(ふた)などの可動部ではなく、内部に搭載している電子部品のようです。

技術的な進歩によって故障しづらくなってきてはいますが、構成する個々の部品が劣化したり、壊れてしまうことは当然あります。たった一つの部品が壊れても、それがもし重要な箇所であった場合には動作しなくなることに。

その場合、「故障した部品を取り替える」あるいは「修理する」ことによって再び機能するようになるので、さえしっかりと行なっていれば、その寿命は半永久的と言えるかもしれません。

参考:メンテナンスや修理について

しかし、実際には電子ピアノを構成する部品はいつまでも供給されているわけではなく、製造・供給される期間が製品ごとに決まっているため、その供給期間によって製品そのものの寿命が左右されるということに。

ヤマハやカワイ等、どのメーカーも製品の生産終了から6年~8年間は構成部品を供給するので、その期間内であれば修理は可能です。流通している電子ピアノの販売期間は短く、一部の人気機種を除くとおおよそ2年以内です。つまり電子ピアノ購入後、約8年~10年間は壊れても直して使い続けられる計算になります。

もちろん故障しなければ、もっと長期に渡って使い続けることはできます。
扱い方や使い方によっても大きく変わってくると思いますが、15年~20年と同じ電子ピアノを弾いている人もいます。

しかし、電化製品を使っていると分かると思いますが、長く使えば使うほど、故障頻度は上がってきます。要するに、寿命を迎える部品がどんどん増えてくるということです。

そう考えると、だいたいの目安として10年くらいが電子ピアノの寿命と言えるのではないでしょうか。

たとえば、お子さんが小学校に入学するのと同時に電子ピアノを購入したとすると、中学校を卒業するまでの9年間、高校卒業までなら12年間で、だいたい電子ピアノの寿命と一致します。それ以降もピアノを続けるのであれば、その時にまた新しいピアノの購入を検討してみるのもいいかもしれませんね。


扱い方や置き場所によって、電子ピアノの寿命を縮める原因となってしまうこともあります。

まず、どの家電にでも言えることですが、乱暴に扱うのはもってのほかです。
電子ピアノの鍵盤部やペダル部、ヘッドホンプラグ部などの全てにおいて、使用するうちに劣化してしまうのはどうしても避けられません。それが乱暴に扱うことによって、破損などを含めて、さらに劣化を進めることに。

大切に扱えば扱うほど、比例して寿命も伸びると言っても過言ではありません。

電子ピアノにはフタがあるタイプとないタイプがありますが、フタがないものの場合は鍵盤部分が常にむき出しになってしまうので、カバーを付けることをおすすめします。普段からカバーをかけておくことで、ホコリが溜まるのや傷がつくのを回避できることも。

次に置き場所ですが、電子ピアノの最大の天敵は湿気です。

窓やエアコンのイラスト窓際で外気の雨が当たってしまう場所はもちろん、加湿器を多く使っているような場所には、なるべく設置しない方がよいでしょう。

意外と気がつかないのは、直接エアコンの風が当たるところです。
エアコンの風には多くの水分が含まれているので、湿度が高ければサビの原因になりますし、電子ピアノ内部に水が入り電子回路が壊れることもあるからです。

また、窓の近くなど、ずっと直射日光が当たるような場所は、内部の温度が上がることで部品が歪んだり破損する恐れや、電子ピアノ本体の変色につながります。

スタンドのないポータブルタイプの電子ピアノを立てかけた状態で保管するのも、鍵盤の故障につながる可能性があるので気をつけましょう。


値段の高い電子ピアノなら、安いものよりも長くもつんじゃないかと何となく思ってしまいますが、価格や機能の優劣は寿命とは関係がありません。

ただ、高価な電子ピアノの方が複雑な作りになっているので、もしかしたらシンプルで安価な電子ピアノの方が故障しにくいと言えるかもしれませんね。