木製鍵盤のメリットは?
電子ピアノを購入する際に、「木製鍵盤」を採用している機種かどうかを気にする人も少なくないかと思います。
アコースティックピアノの鍵盤は木製なので、より本物に近いタッチ感を求めるのであれば当然、木製鍵盤の機種を選ぶのが良いでしょう。
では具体的に、木製鍵盤は他の鍵盤とはどういった違いがあるのでしょうか?
そもそも電子ピアノの鍵盤の材質は、大きく分けて樹脂製(プラスチック製)と木製の2種類があり、その材質の違いにより弾いたときのタッチ感に関与してきます。
樹脂製鍵盤について
樹脂製の鍵盤は、15万円くらいまでの電子ピアノによく使われています。
音を出す仕組みとして、バネのようなものは使わず、鍵盤を弾いたときの位置や感覚などを計算してセンサーが反応するようになっています。
比較的に軽いタッチのものが多く、指が疲れやすい傾向があります。その理由として、樹脂製鍵盤はクッション性が少なく、打鍵したときのショックが指に伝わりやすいことが挙げられます。また、爪が当たったときに出るカチカチとした音が目立ちやすいです。
鍵盤の内部構造は、芯となる棒が渡してあり、その棒を支える形で周囲をプラスチックで固定しているものが一般的です。つまりプラスチックの塊ではなく、ほぼ空洞になっているものがほとんどということになります。
木製鍵盤について
鍵盤のどれかひとつを指で押して、その沈んだ鍵盤の真横にある鍵盤の側面を見てみましょう。樹脂製の鍵盤の側面は表面と同じ白い素材ですが、木製鍵盤の側面は木になっているのが分かるはずです。
現在、20万円以上のレッスン機種の電子ピアノは、どのメーカーも木製鍵盤を使用しており、程よい重さがあり連打性にも優れるので、ピアノらしい弾き心地になっています。
では、木製鍵盤の内部構造はどうなっているのかというと、メーカーや機種によっては、薄い木材が何層にもなって一本の鍵盤の厚みになっているものもあります。
この構造は鍵盤の歪みや反りを防ぐ効果があります。ふつう木製鍵盤の一本一本に鉄芯はなく、木材の棒といった感じで、この「棒」は長めになっているものが多いです。
なぜ「長い鍵盤」になっているのか
では鍵盤が長いと、どういう利点があるのでしょうか?
鍵盤(棒)が長いということは、てこの原理でいう「支点」までの距離を遠くにすることができ、「作用点」までの距離も長くなるので、鍵盤の自重で自然な重量感を得ることができますし、『バネっぽい不自然な鍵盤の戻り』が軽減されるようです。
鍵盤の長さや1鍵1鍵の重さは、上位機種の電子ピアノになればなるほど、グランドピアノに近い構造(低音は重く、高音は軽く)になっています。
鍵盤(棒)が長いということは、てこの原理でいう「支点」までの距離を遠くにすることができ、「作用点」までの距離も長くなるので、鍵盤の自重で自然な重量感を得ることができますし、『バネっぽい不自然な鍵盤の戻り』が軽減されるようです。
鍵盤の長さや1鍵1鍵の重さは、上位機種の電子ピアノになればなるほど、グランドピアノに近い構造(低音は重く、高音は軽く)になっています。
ただし、電子ピアノの場合は、一概に「鍵盤部が長ければいい」というものではありません。
各電子ピアノメーカーがしのぎを削っている部分でもありますが、「作用点」の先のハンマー構造(スイッチ構造)によっても、タッチの差が出てくるからです。
それなら、プラスチック製の鍵盤も長くすれば良いのでは?と思うかもしれませんが、木の方が軽くて強度も高く、一般的なプラスチックで長い鍵盤(棒)を作ると非常に折れやすくなるようです。
木製鍵盤というと高価なイメージがあるかもしれませんが、それは「木材選び」や「乾燥工程」などもしっかりと行う必要があるので、実コスト上の理由も含まれているのでしょう。