電子ピアノについて

鍵盤楽器の修理・調律、音響機器の修理・メンテナンス、音楽教室(ピアノ)

欲しい電子ピアノとは?

電子ピアノ購入を考えている方で満足のいく一品に巡り逢えている人の多くは、ご自分のニーズに正直で、それらが具体的であるという特徴があります。

欲しい電子ピアノとは、ひとりひとりの目的と用途によってそれぞれに違ってきます。ここでは、二つほど例を出してご説明していきましょう。

 

1. これからピアノを習おうという初心者の方

小学校に上がるのと同時にピアノを習いたいというお子さんとその親御さんの例。将来的には本物のピアノが欲しいけれども、お子さんがレッスンを続けられそうだったら考えるとして、今のところはレッスンに適した手頃な価格の電子ピアノが欲しい。お子さんと一緒にインターネット販売サイトで購入予定。

この場合、親御さんの電子ピアノが欲しいという理由は、かなりはっきりしています。その電子ピアノがどんなピアノであるかという要望は『レッスンに適している』『手頃な価格である』という二点です。

初心者のレッスンに欠かせない条件を備えた電子ピアノとは、88鍵あり、高低差が付けられる椅子があり、固定されたダンパーペダル付きであることが挙げられます。これらは基本で、特に初めてピアノを習うお子様や初心者の方にとって必要な条件です。

次に価格面です。

手頃な価格とはどのくらいなのか。メーカーやモデル、新品か中古かによっても違ってきます。仮に10万円の予算があったとして、上記の必須条件を備えた新品と中古で比較してみましょう。

新品であるこの価格帯の電子ピアノのメリットは、最新モデルだと今までにない機能が搭載されていたり、新発売で人気機種だと話題性があったり、なんといっても真新しさの気持ちよさがあるでしょう。

中古の場合のメリットはというと、新品でこの価格帯のものよりも、はるかに良質な素材を使用したものや高いスペックのものが手に入るということです。

発売当時は高価で手の届かなかった上位機種が、中古価格で安く手に入るという大きな魅力があります。簡単に言うと同じ予算なら、新品の初心者モデルか中古の上位モデルかということです。

そして、購入方法はインターネット販売サイトを利用してということなので、そのサイト内の電子ピアノの画像や情報を比較検討し、納得の一台に出会うわけです。

理想的なのは実際に品を見にいって試弾することですが、ネット購入の場合は、それが出来なくても納得のいく良いものを選び出すことが要となってきます。

販売サイトにもよりますが、新品であれば椅子や他の付属品は付くのか、そうでない場合の価格の違いはどうか、配送料がかかるのかどうか明確に知ってから購入するべきでしょう。

中古であれば、椅子の有無や付属品以外にも、その品はきちんとメンテナンスされているか、又はもっと丁寧な内部のクリーニングや修理、部品の交換もしてあるのか、といった情報が分かるサイトは信用がおけるでしょう。

それらの情報をもとにお子さんとも話し合いながら、電子ピアノの色を選んだり、レッスン機能や録音機能があることを知ったりして、お値段に見合った欲しい電子ピアノの形がより具体的になっていきます。

 

2. 以前に習っていたピアノを趣味でまた気軽に始めたいという方

ピアノを趣味やライフワークにされている方は多く、その幅は若い女性からご年配の夫婦に至るまでたくさんいらっしゃいます。

ここでは20代~40代のOLを例にとってみましょう。

自宅の自分の部屋や一人暮らしの環境に置く電子ピアノとして女性に圧倒的人気なのが、スタイリッシュでシンプルなデザインとコンパクトなボディーのものや、ポータブルタイプの電子ピアノになります。

なぜこれらのピアノが人気なのかというと、部屋に置いてもインテリアの一部のようにお洒落、コンパクトなので邪魔にならない、持ち運びしやすい、専用ケースに入れてしまうこともできる、などが挙げられます。

ポータブルタイプの電子ピアノには比較的安価なものがあり、気軽に購入しやすいです。据え置き型でも前述のように、置いてあることによって部屋の雰囲気がグレードアップし、弾く時の気分も格段に良いというのが女性人気の理由でしょう。また、音量の調節ができたり、夜間は別売りのヘッドフォンを使用して演奏できるのも便利です。

これら人気の電子ピアノは長く愛用する方が多く、メーカーでも形状の大幅なモデルチェンジをせずとも新たなユーザーが購入していきます。価格面でも折り合いのつく、状態の良い中古を見つけたら幸運ですし、最近のものはBluetooth搭載やパソコンやタブレットと連動させてリモート演奏や連弾ができるものもあり、時世のニーズにも合ってきています。

 

いかがでしたでしょうか。欲しい電子ピアノは人それぞれで、電子ピアノの種類も実にたくさんあります。この他の例も次回以降、ご紹介していければと思います。

電子ピアノだと上達しないの?

アコースティックピアノと電子ピアノ、どちらを購入しようか検討しているときに「電子ピアノでは上達しない」という声を耳にしたことはありませんか?

腕を組んで考え込む女性生活環境や予算などの理由から、自宅練習は電子ピアノでと考えていたのに、そういう話を聞いてしまうと少し不安になってしまいますよね。

今では広く普及し、生徒の半数以上が電子ピアノを使っているというピアノ教室も中にはあるようですが、実際に電子ピアノで練習をしていては上手くならないのでしょうか??

電子ピアノでも上達します

もし本当に電子ピアノを使っているせいでピアノの腕前が上がらないのだとしたら、誰も使おうとはしないでしょうし、どのメーカーも力を入れて作るようなことはしないでしょう。

それでも「上達しない」と主張する人がいるのは、どのくらいの実力の人がどういう練習をするかによって、その上達の度合いが変わってくるからです。(これは他の楽器やスポーツにも言えることですが、その人のレベルによって必要な練習内容はまったく異なるということです)

ウィンクしているスーツの女性ピアノ初心者にとって重要なのは、まずたくさん楽器に触って、その感覚に慣れることです。

右手と左手で別々の動きをしたり、どの指でどの音を弾くといった指の動かし方などは、繰り返し練習をすることで次第に身についていきます。

この楽器に触ることで鍛えられる技術は、電子ピアノでも問題なく上達するといえるでしょう。

安価な中古ピアノを購入した場合、その大半が調整不足で弾きにくく表現力が劣るということがありますので、初心者であれば電子ピアノの方が譜読みや暗譜の練習にも便利かもしれません。

初級から中級くらいまでの方も、電子ピアノで練習をしていてもそれほど支障はないかと思いますが、クラシックピアノの場合はその上達の度合いはある一定のレベルを超えると難しくなってきます。

それでは、「電子ピアノだと上達しない」のは、一体どういったことなのでしょうか。

電子ピアノでは上達が難しいこと

不思議なもので、アコースティックピアノは弾き手によってその音色が変わります。

実力に差がない2人のピアニストが同じ環境で同じピアノを弾いたとしても、音の強弱やわずかなタッチの差によって片方は華やかな音色であったり、もう一方はしっとりとした音色であったりと、さまざまな音を表現することができます。

しかし今の電子ピアノには、そのタッチの差をアコースティックと同じように再現することができません。各メーカーの技術が向上しているとはいえ、最上位の機種であってもです。

基本的に電子ピアノは、鍵盤を押したときの強弱が音量の差にしかならないので、誰がどのように弾いても録音されている良い音しか鳴りません。

つまり、複雑に変化するピアノの音に耳をかたむけて弾くということができないので、高い表現力を身につけることが難しいんです。

また、電子ピアノの鍵盤の重さは機種によって異なりますが、軽すぎる鍵盤で練習をしていると指の力が養われず、腕や肩など体全体を使った練習もできないので上達が遅れてしまいます。

指の力が弱いことによって一番の弊害となるのは、「指を速く動かす曲をピアノで弾いた時に、音がしっかりと出てくれない」ことでしょう。

家では思い通りに弾けるのに、レッスンで教室のアップライトピアノを弾くとなったら、鍵盤が重くて指が動かないというギャップを感じることも。がんばって音を出そうと力みすぎてしまい、普段のフォームが崩れて変な癖がついてしまうこともあります。

アコースティックピアノの鍵盤の重さに慣れているかどうかは、中級以上の曲を楽譜どおりに弾くうえで、とても大きな影響を及ぼします。


それでは、本格的にピアノを学びたいのであれば、いずれはアコースティックピアノに買い替えなければいけないのかというと、必ずしもそうとは言えません。

クラシックピアノの上達は困難かもしれませんが、たとえばジャズピアノであれば、リズム感やコードでの即興演奏、他の楽器とのセッション等、クラシックとはまた別のことが重要となり、それは電子ピアノやキーボードであってもどうとでもなるからです。

また、電子ピアノで練習をしてプロになったという人も存在します。もちろん電子ピアノのみで練習してきたというわけではないのでしょうが、それでも電子ピアノでも上達できることの証明に他なりません。

同時発音数は多い方がいい?

電子ピアノのカタログを見ていると、仕様として「最大同時発音数」という項目の記載があることに気がつきませんか?

最大同時発音数とは、同時に出せる音の最大数のことです。

複数の鍵盤が押されたとき、電子ピアノはその分の音を再生する必要がありますが、同時に音を処理する機能には限界があり、モデルによってその数の上限が決められています。

初期の電子ピアノは16音が最大でしたが、現在のモデルには少なくとも64音が確保されています。その数は価格が高くなるほど増えるので、最上位モデルになると256音にもなります。さらに、最大同時発音数が「無制限」というものまで登場しました。

同時発音数が、単に「鍵盤を弾いた時に同時に出せる音の数」なのであれば、電子ピアノの鍵盤数は最大で88鍵なんだから、同時発音数だって88が最大になるんじゃないの?って疑問に思う人もいるのではないでしょうか。(そもそも一度に88鍵すべてを弾くようなことがあるのかと言ったら、とても考えにくい状況ではありますが)

実は同時発音数は、同時にいくつの鍵盤を押したという数のことではないんです。

電子ピアノは左右のスピーカーから音が出るステレオ再生なので、たった1つの鍵盤を打鍵しても2音は発していることになります。つまり、少なくとも弾いた鍵盤の2倍の数が発音数にカウントされるということです。

たとえば10本の指で同時に弾いたら発音数は20になるので、それだけで初期モデルの16音は超えてしまいますね。

おまけに、ダンパーペダルを使うと鍵盤から指を離しても音が伸ばせて、いくつもの音を重ねることができますが、その余韻の音も発音数として加算されるんです。

また、2人で弾く連弾を行う場合には、単純に考えて2人分の同時発音数が必要になってくるでしょう。

では、同時発音数が少なかった場合、弾いていてどうなるのでしょうか?

最大数を超えた瞬間、それまでダンパーペダルによって伸びていた最初に弾いた1音めがふっと消えます。2音め、3音目と弾いた順に音が消えていきますので、場合によっては音が不自然に切れてしまい、演奏がなめらかに聴こえないということも。(消え方については各メーカーが工夫を凝らしているので、音が消える違和感に気づく耳のよい人もいれば気がつかない人もいます)

この音が消えていく現象は「音切れする」というふうにも呼ばれています。

難易度の低い曲であれば、それほどたくさんの音を同時に弾くようなことはないので問題ありませんが、難しい曲になれば鳴らす音の数は確実に増えますし、ダンパーペダルも頻繁に使うことになるでしょう。

たとえば最大同時発音数が128音の電子ピアノで、ショパンの幻想即興曲やテンポの速いエチュードを弾くと、音が足りなくなるようです。音切れの問題は、ダンパーペダルを頻繁に使用するテンポの速い楽曲で顕著に表れます。

同時発音数が多く必要なのは、そういった理由からなんです。

もちろん同時発音数は多いにこしたことはありませんが、初心者から中級者までなら64~128音ほどあれば、それほど心配しなくても大丈夫でしょう。基本的なピアノの演奏において音切れしない充分な数値ですので、弾いていて違和感を感じるようなことはあまりないと思います。

ただ、ピアノを練習中の人ほど、できれば同時発音数が多めの機種を使った方が良いのかもしれません。

それはなぜかというと、当然のことながら間違えたり外して弾いてしまった音も同時発音数として数えられ、外した分だけ音は濁っていきますが、同時発音数が少ない電子ピアノだとミスタッチをしても音の濁りが早い段階で自動的に消えていってしまうからです。

普通、ミスタッチが多いと聴くに耐えない響きになってしまうものですが、音切れによりあまり気にせずにペダルを踏み続けることができてしまうため、そういう意味では練習には少し不向きともいえるのです。

木製鍵盤のメリットは?

電子ピアノを購入する際に、「木製鍵盤」を採用している機種かどうかを気にする人も少なくないかと思います。

アコースティックピアノの鍵盤は木製なので、より本物に近いタッチ感を求めるのであれば当然、木製鍵盤の機種を選ぶのが良いでしょう。

では具体的に、木製鍵盤は他の鍵盤とはどういった違いがあるのでしょうか?

そもそも電子ピアノの鍵盤の材質は、大きく分けて樹脂製(プラスチック製)と木製の2種類があり、その材質の違いにより弾いたときのタッチ感に関与してきます。

樹脂製鍵盤について

樹脂製の鍵盤は、15万円くらいまでの電子ピアノによく使われています。

音を出す仕組みとして、バネのようなものは使わず、鍵盤を弾いたときの位置や感覚などを計算してセンサーが反応するようになっています。

比較的に軽いタッチのものが多く、指が疲れやすい傾向があります。その理由として、樹脂製鍵盤はクッション性が少なく、打鍵したときのショックが指に伝わりやすいことが挙げられます。また、爪が当たったときに出るカチカチとした音が目立ちやすいです。

鍵盤の内部構造は、芯となる棒が渡してあり、その棒を支える形で周囲をプラスチックで固定しているものが一般的です。つまりプラスチックの塊ではなく、ほぼ空洞になっているものがほとんどということになります。

木製鍵盤について

鍵盤のどれかひとつを指で押して、その沈んだ鍵盤の真横にある鍵盤の側面を見てみましょう。樹脂製の鍵盤の側面は表面と同じ白い素材ですが、木製鍵盤の側面は木になっているのが分かるはずです。

現在、20万円以上のレッスン機種の電子ピアノは、どのメーカーも木製鍵盤を使用しており、程よい重さがあり連打性にも優れるので、ピアノらしい弾き心地になっています。

では、木製鍵盤の内部構造はどうなっているのかというと、メーカーや機種によっては、薄い木材が何層にもなって一本の鍵盤の厚みになっているものもあります。この構造は鍵盤の歪みや反りを防ぐ効果があります。ふつう木製鍵盤の一本一本に鉄芯はなく、木材の棒といった感じで、この「棒」は長めになっているものが多いです。

なぜ「長い鍵盤」になっているのか

では鍵盤が長いと、どういう利点があるのでしょうか?

てこの原理鍵盤(棒)が長いということは、てこの原理でいう「支点」までの距離を遠くにすることができ、「作用点」までの距離も長くなるので、鍵盤の自重で自然な重量感を得ることができますし、『バネっぽい不自然な鍵盤の戻り』が軽減されるようです。

鍵盤の長さや1鍵1鍵の重さは、上位機種の電子ピアノになればなるほど、グランドピアノに近い構造(低音は重く、高音は軽く)になっています。

ただし、電子ピアノの場合は、一概に「鍵盤部が長ければいい」というものではありません。

各電子ピアノメーカーがしのぎを削っている部分でもありますが、「作用点」の先のハンマー構造(スイッチ構造)によっても、タッチの差が出てくるからです。

それなら、プラスチック製の鍵盤も長くすれば良いのでは?と思うかもしれませんが、木の方が軽くて強度も高く、一般的なプラスチックで長い鍵盤(棒)を作ると非常に折れやすくなるようです。

木製鍵盤というと高価なイメージがあるかもしれませんが、それは「木材選び」や「乾燥工程」などもしっかりと行う必要があるので、実コスト上の理由も含まれているのでしょう。

キーボードやシンセサイザーとの違い

電子ピアノの購入を検討している人の中には、電子ピアノとキーボードやシンセサイザーを比較することもあるようです。

まずはじめに、「キーボード」とは、その名の示すとおり鍵盤(キー)を備えた楽器の総称です。電子ピアノ・エレクトーン・オルガン等、鍵盤を押すことで音が鳴る楽器は、すべて「キーボード」ということになります。

キーボードの画像しかし、一般的にキーボードと呼ばれているものは、さまざまな音源があらかじめ設定された、脚がなく移動しやすい形状をしたポータブルタイプの鍵盤楽器と考えてよいのではないでしょうか。

ピアノのようなサウンドを再現することも可能ですが、たいていの電子ピアノ(デジタルピアノ)の鍵盤数が88鍵や76鍵なのに対して、キーボードは61鍵盤が主流となっています。

一方、「シンセサイザー」はどういうものかというと、電子的な手法で音を合成(シンセサイズ)することができる楽器で、音源を操作するスイッチとして鍵盤(キーボード)がよく用いられます。

実質的にキーボードでもそう変わらないものが多くなっていますが、キーボードでは音色の細かな調整ができないものが多いのに対して、音を加工し、音を作り出すことも出来ます。

ミュージックワークステーションと呼ばれる種類のシンセサイザーでは、シーケンサーやサンプリング機能といった、音楽を製作するための機能を搭載しているモデルもあり、パソコンが無くてもシンセサイザーのみで音楽製作をすることも可能です。

近年では、DTM(Desktop music:パソコンを使用した音楽製作)も人気で、製作に必要なツールとしてシンセサイザーやMIDIキーボード(MIDI信号を出力する為の鍵盤型装置)が用いられています。

それでは、電子ピアノとキーボードやシンセサイザーの違いはというと何でしょうか。

電子ピアノの音色数はさほど多くないのに対して、キーボードやシンセサイザーは多彩な音色で演奏することが可能です。

シンセサイザーは演奏をするというよりも、どちらかというと音を作り、音楽を作り上げていくという目的で使用されることが多いです。

その他にも、シンセサイザーにはスピーカーが内蔵されていないので、スピーカーかヘッドホンが必須となります。電子ピアノであればわざわざスピーカーを用意する必要はなく、演奏すればそのままの音を聞くことができるようになっているので、既存の楽曲を演奏するには電子ピアノの方が良く、気軽に演奏を楽しむことが出来ます。

また、キーボードやシンセサイザーは電子ピアノとは違い、ピアノを再現することに特化しているわけではありませんので、全体的に鍵盤のタッチが軽いものが主流です。「ピアノの演奏を楽しみたい」というのであれば、もちろん電子ピアノの方が良いでしょう。

このような違いをよく理解したうえで、電子ピアノを購入するようにしてください。
いろいろな音で演奏することができるキーボードやシンセサイザーは、とても魅力的に感じる部分も沢山ありますが、実際に自分で音楽を作ったりしないのであれば、さほど重要でないでしょう。

また購入する費用に関しても電子ピアノはリーズナブルだと言うことができます。

参考:電子ピアノの価格の目安について

電子ピアノとピアノの違いとは

ピアノは、『アコースティックピアノ(生ピアノ)』と『電子ピアノ(デジタルピアノ)』の大きく2種類に分かれ、グランドピアノやアップライトピアノといった、いわゆる普段「ピアノ」と呼ばれているものがアコースティックピアノになります。

機種によってはアコースティックピアノのような見た目の電子ピアノもありますが、電子ピアノは電源を入れなければ音が鳴りません。

アコースティックピアノと電子ピアノ

ピアノと電子ピアノの一番の違いは、音を出す仕組みでしょう。

ピアノは、指で鍵盤を押した力がハンマーを動かし、ハンマーが弦を叩いた振動が音を出す仕組みとなっています。その振動は豊かに広がり、叩いた弦以外の弦も共鳴して独特の響きを生み出します。

弦を水平に張った「グランドピアノ」がピアノ本来の形で、これを縦型にコンパクトにしたのが「アップライトピアノ」です。

この2つは、音を出す基本的な構造は一緒なのですが、ハンマーが弦を打つ仕組み(アクション)や音響部材である響板の形が異なるので、弾き心地や音色に違いが出てきます。

グランドピアノ
ピアノ本来の形で、弦を叩いたハンマーが自重で戻る構造のため、トリル(鍵盤の連打)などの細かい表現ができます。また、内部の弦の長さも違うため、音の響きや表現力もぐっと広がります。
アップライトピアノ
グランドピアノをコンパクトにしたタイプ。フレームや弦、響板が上下に伸びるように作られているので、ハンマーも横から叩く構造になっています。バネでハンマーが戻るため、元の位置に戻るスピードがグランドピアノよりも若干遅く、細かい指の動きなどに限界があります。

アコースティックピアノは生楽器なので、常に良い状態を維持しようとするなら最低でも1年に1回は調律する必要があり、湿度管理といった手間やコストもかかります。しかし、電子部品で構成されていないので、大切に使いしっかりとメンテナンスをすれば、一生ものといえるほど長く使い続けることができます。


一方、電子ピアノは電気を用いてピアノの音を奏でる電子鍵盤楽器で、弦はありません。

ハンマーを備えた電子ピアノはありますが、そのハンマーは弦を叩くためではなく、よりピアノに近い打鍵の感覚と反応を得るための装置になっています。

電子ピアノの音を出す仕組みは、鍵盤を押すとその情報をセンサーで感知し、生ピアノから録音(サンプリング)した音をスピーカーから出すようにできています。そのため、ピアノと電子ピアノの構造は根本的に全く異なるのです。

電子ピアノはデジタル楽器なのでメンテナンスの必要がなく、コストをかけずに常に同じ状態で演奏することができます。

音を出す構造の違いから、ピアノと電子ピアノの音色は基本的に違っていると言えますよね。

近年では、電子ピアノの性能が非常に良くなってきているため、音そのものはとても綺麗になっているのですが、スピーカーを通ることもあり、やはり生ピアノには敵わない部分があります。音の質に関しては、生ピアノの方が透き通っているような音色になります。

その他の違いとして、ピアノに比べると電子ピアノは鍵盤を押してから鍵盤が戻るまでの時間がゆっくりしているようです。そのため、ゆっくりとしたテンポの音楽であれば問題はありませんが、スピーディな曲を演奏したりする際には生ピアノの方が向いていると言われています。

しかし、自宅でピアノ曲の練習をしたり、簡単な音楽を作ったりするくらいであれば、電子ピアノでも十分に機能を発揮してくれるでしょう。近年では、生ピアノよりも電子ピアノを購入する方がリーズナブルで良いと言われることもあります。

参考:電子ピアノの価格の目安について

人前で生演奏したりするのであれば、もちろん生ピアノで日頃から練習すると良いのですが、そうではなく自分の趣味のためにピアノを弾くのであれば、電子ピアノで十分なのではないでしょうか。

通常、アコースティックピアノの鍵盤数は、白鍵と黒鍵を合わせて88鍵です。電子ピアノの場合、鍵盤数の少ないものもありますが、88鍵ないと演奏できない曲は意外とあります。鍵盤の幅が狭いものもあるようなので、その点にも気をつけましょう。

他にも、ピアノと電子ピアノの違いはあります。

ピアノと電子ピアノとでは、重量がぜんぜん違います。グランドピアノが250~400kg程度、アップライトピアノが200~250kg程度に対し、電子ピアノの重量は40~80kg程度と軽量です。

また、電子ピアノは弾く音のボリューム調整やヘッドホンを標準装備として付けられるようになっているので、時間帯などをそれほど気にせずに使用することが可能です。生ピアノで同じことをするには、専用のユニットを取り付けること等が必要となってきます。

電子ピアノのメリットとデメリット

自分の趣味のためや、レッスンをするという目的で、ピアノ購入を検討中の方もおられるかと思いますが、「ピアノ」と一言でいってもアップライトやグランドピアノだけではなく、近年では電子ピアノが人気を集めているようです。

電子ピアノの特徴は、種類豊富な音色やリズム、メトロノーム、録音機能など、電子楽器ならではの多彩な機能が搭載されている点ですが、アコースティックピアノと比較したときに、具体的にどのような「メリット」と「デメリット」があるのでしょうか?

電子ピアノのメリット

まず、購入する費用についてを挙げると、アップライトは安くても新品で50万円~、グランドピアノは軽く100万円を超えるのと比べて、電子ピアノなら高くても30万円台なので、「購入資金を貯める」「ローンを組む」といった金銭的な負担が少なくて済みます。

参考:電子ピアノの価格の目安について

また、弾く頻度にもよりますが、アコースティックピアノは年に1~2回ほど調律をする必要があり、その費用は1回につき1万円前後かかるのに対して、電子ピアノは音程が狂うことはなく調律不要なので、維持費がかかりません。

普通のピアノと比べて気軽に始めることができるので、「ピアノを弾いてみたいけど、すぐに飽きてやめてしまったらどうしよう…」というような悩みを持っている人の最初の一歩として、電子ピアノは特におすすめです。

マルの札を持った女性のイラスト重量やサイズも比較的コンパクトなものになるので、置き場所や移動にも困るようなことはさほどないと言えるでしょう。

さらに、いろいろな音色やリズム、曲が内蔵され、練習に便利なメトロノームや録音機能など、普通のピアノにはない機能が充実しています。

自宅でピアノを弾く際、近隣に対しての騒音などが気になる部分ですが、電子ピアノなら音量の調節やヘッドホンを使えるので、練習の時間帯をあまり気にしなくてもよく、特に集合住宅などにお住まいの方に選ばれているようですね。

参考:防音対策はどうしたらいい?

状況に合わせてボリュームが変えられるのは、とても助かります。

特にお子様の場合、練習で何時間も演奏を続けることがあるでしょう。音量の調整が可能なら、気の済むまで練習をさせてあげることができますし、練習したいときにたくさんピアノに触れさせてあげることによって、上達するスピードも速くなるようです。

電子ピアノのデメリット

反対にデメリットを考えてみると、電子ピアノは鍵盤のタッチが平坦であるため、表現力といった技術を身につけることが難しく、音色や音量をコントロールして演奏するということがあまりできません。

同じ強さで弾いたとき、アコースティックピアノの場合は弾き方によって音色や音質が変えられますが、電子ピアノだと自分で音のメリハリを付けられないので、ある程度上達した頃に物足りなさを感じることも。

自分で音を作り出すことができない電子ピアノの鍵盤ばかりを長く弾いていると、耳と指の感覚が発達せず、余計な力を入れて弾くのがクセになってしまったり、指は動いているのに表現力が伴わないということにもなりかねません。

習い始めたばかりの初心者ならともかく、いずれは本格的にアコースティックピアノを弾きたいと思っている人が、ずっと練習用として使うのには、電子ピアノはあまり向いていないと言えるでしょう。

バツの札を持った女性のイラストまた、電子ピアノと同じ感覚でアコースティックピアノを弾くと、タッチの違いを感じてしまい音の強弱が不安定になることも考えられます。

ピアノを習っていると毎年行われる発表会などがあるかと思いますが、そういうときは勿論アコースティックピアノを弾くことになります。電子ピアノに慣れすぎていると、タッチの感覚の差に上手く適応できなくなってしまうというリスクもあります。

それはペダルの踏み方にも言えることです。
電子ピアノのペダルは、適当に踏んでいてもそれらしく聞こえてしまうことが多いといわれ、もし電子ピアノでペダルをなんとなく踏むクセがついてしまうと、アコースティックピアノで弾くことになったときに直すのに苦労するかもしれません。

電子ピアノは楽器とはいえ、どちらかといえば電子機器という認識が強いので、本格的に音楽に取り組み、クラシックや難しい曲にチャレンジしたいという方には、もちろんアップライトやグランドピアノがおすすめです。


しかし、グランドピアノのように大きなピアノを自宅に置くスペースを作るのが難しいという人にとっては、電子ピアノのメリットは大きいと言えますよね。

ピアノを「弾く」「習う」のに、アコースティックピアノは決して必須というわけではありません。弾きたい曲や目的によって、電子ピアノとピアノのどちらが適しているかは異なるからです。

防音対策はどうしたらいい?

お家でピアノを弾く時には、演奏する時間に気をつけなければなりませんし、防音対策も考えなくてはいけませんよね。

ピアニストやミュージシャンなら、自宅の防音設備をしっかり整えることができるかもしれませんが、一般の人だとそれはなかなか難しいでしょう。

電子ピアノを初めて購入する人の中には、普通のピアノとの違いは電気を使用するということだけで、電子ピアノもピアノと同じように大きな音が出てしまうと思っている人もいるようです。

ヘッドホンの画像しかし、電子ピアノは音量の調整を行うことができますし、ヘッドホンを使用することが可能です。そのため、防音対策を考える必要はほとんどないと言われています。

参考:電子ピアノとピアノの違いとは

電子ピアノの人気は、そういう理由からも来ているのではないでしょうか。


防音対策は「ほとんど必要ない」と書きましたが、それでは音量の問題の他に気をつけなければいけないことがあるのでしょうか。

ヘッドホンをつけての演奏もできるので、電子ピアノは騒音問題とは無縁と思われがちですが、実はそれでも騒音の問題は生じます。

問題は、鍵盤をたたく「打鍵音」とペダルの「操作音」

演奏者はヘッドホンをつけているので、あまり気にならないかもしれませんが、電子ピアノの「打鍵音」や「ペダルの操作音」は音量調節やヘッドホンで減らせるようなものではなく、「カタカタ」「ゴンゴン」といった響きや振動は意外と壁や床など建物を通して伝わってしまいます。

たとえば、オーディオで音楽をガンガン聴いていて、何の曲かは分からないけれどやたらとビートが聞こえる、といった感じでしょうか。

フローリングの上に電子ピアノを直接置いている場合、打鍵音やペダル音は床に伝わって振動し、かなり大きく響いて聞こえます。

電子ピアノの接地面である床は伝わる振動が大きく、特にマンションなどの集合住宅では上下階や左右のお部屋へ伝わる振動が騒音になってしまう可能性も。

この振動を防ぐことが、騒音の有効な改善方法となります。

電子ピアノの下にマットを敷く

電子ピアノの下にはマットを敷くことで、かなりの吸音をしてくれます。ただし、あまり厚みのないマットですと、それほどの効果は期待できないでしょう。

カーペットを敷いた電子ピアノ床への振動を防ぐことができる電子ピアノ専用の「防振カーペット」が、メーカーや大手楽器店から発売されています。

「防振マット」や「防音マット」といった色々な名前の商品が家具店やインターネットでも販売されていますし、コルクで作られているマットも防音マットとして利用することができますが、やはり電子ピアノ専用に作られたものとは性能が違います。

音をしっかり防ぎたいのなら、できるだけ重いマットを選びましょう。多くは高密度のゴムや樹脂などの素材が使われているので、家庭用のフロアマットとは違い1枚でもかなりの重さがあります。

防音マットの上に防音カーペットを敷いたりして、それらを重ねて使用するとより効果的です。電子ピアノの鍵盤をたたいたときに、打鍵音がするのは変わりませんが、床が響くのはだいぶ軽減されるでしょう。

より高い防音性のためには、マットは壁との間に隙間ができないように敷くことが大切です。壁と床との隙間からも、音は振動して伝わってしまいますので。

インターネット上では、「防音マット」と「防音シート」という言葉が混同して使われていることがあるようですが、「防音シート」は床の防音対策用のものとしては安易に選ばないようにご注意ください。

防音シートは基本的に遮音シートなどの建材を指し、主に壁や天井内部の遮音材として使用されるものなので、じかに床に敷いただけではあまり効果がありません。

市販の防音・防振用品を敷く以外に、設置場所を和室(畳)にすることも簡易的な対策になります。

電子ピアノを壁から離して設置する

電子ピアノを壁にぴったりとくっつけて設置すると、その部分から振動が伝わりやすくなります。壁から10cmくらい離すと良いでしょう。

それでも気になるようでしたら、電子ピアノと壁の間に防音ボードを設置するとさらに安心です。

集合住宅の場合は、周囲のお宅と隣接する壁側への設置はできるだけ避け、室内の間仕切りとなっている壁側へ設置するようにしましょう。


騒音対策を終えたら、できればご近所の方に状況を確認することをおすすめします。

もしかしたら音が防ぎきれていないかもしれませんし、そうした場合には対策を講じていることを説明し、理解を求めておくことで、苦情やトラブルを避けることができるかもしれないからです。

ご近所にご病人や受験生などがいるとしたら、より配慮する必要があるでしょう。

防音・防振の対策をするのはもちろんですが、「できるだけ夜間や早朝には電子ピアノを弾かない」「音を出すときには必ず窓を閉める」「連続して長時間は弾かないようにする」などといった、マナーを守ることも大切なのではないでしょうか。

電子ピアノの寿命はどれくらい?

首を傾げる女性のイラスト生ピアノ(アコースティックピアノ)と比べると、価格がはるかに安い電子ピアノですが、「寿命はどれくらいなの?」という疑問があるかと思います。

電子ピアノ・デジタルピアノは電子機器ですから、その寿命については一般的な家電製品(テレビ・冷蔵庫・洗濯機など)と同じ考え方になります。

もっとも壊れやすいのは、鍵盤やペダルや蓋(ふた)などの可動部ではなく、内部に搭載している電子部品のようです。

技術的な進歩によって故障しづらくなってきてはいますが、構成する個々の部品が劣化したり、壊れてしまうことは当然あります。たった一つの部品が壊れても、それがもし重要な箇所であった場合には動作しなくなることに。

その場合、「故障した部品を取り替える」あるいは「修理する」ことによって再び機能するようになるので、さえしっかりと行なっていれば、その寿命は半永久的と言えるかもしれません。

参考:メンテナンスや修理について

しかし、実際には電子ピアノを構成する部品はいつまでも供給されているわけではなく、製造・供給される期間が製品ごとに決まっているため、その供給期間によって製品そのものの寿命が左右されるということに。

ヤマハやカワイ等、どのメーカーも製品の生産終了から6年~8年間は構成部品を供給するので、その期間内であれば修理は可能です。流通している電子ピアノの販売期間は短く、一部の人気機種を除くとおおよそ2年以内です。つまり電子ピアノ購入後、約8年~10年間は壊れても直して使い続けられる計算になります。

もちろん故障しなければ、もっと長期に渡って使い続けることはできます。
扱い方や使い方によっても大きく変わってくると思いますが、15年~20年と同じ電子ピアノを弾いている人もいます。

しかし、電化製品を使っていると分かると思いますが、長く使えば使うほど、故障頻度は上がってきます。要するに、寿命を迎える部品がどんどん増えてくるということです。

そう考えると、だいたいの目安として10年くらいが電子ピアノの寿命と言えるのではないでしょうか。

たとえば、お子さんが小学校に入学するのと同時に電子ピアノを購入したとすると、中学校を卒業するまでの9年間、高校卒業までなら12年間で、だいたい電子ピアノの寿命と一致します。それ以降もピアノを続けるのであれば、その時にまた新しいピアノの購入を検討してみるのもいいかもしれませんね。


扱い方や置き場所によって、電子ピアノの寿命を縮める原因となってしまうこともあります。

まず、どの家電にでも言えることですが、乱暴に扱うのはもってのほかです。
電子ピアノの鍵盤部やペダル部、ヘッドホンプラグ部などの全てにおいて、使用するうちに劣化してしまうのはどうしても避けられません。それが乱暴に扱うことによって、破損などを含めて、さらに劣化を進めることに。

大切に扱えば扱うほど、比例して寿命も伸びると言っても過言ではありません。

電子ピアノにはフタがあるタイプとないタイプがありますが、フタがないものの場合は鍵盤部分が常にむき出しになってしまうので、カバーを付けることをおすすめします。普段からカバーをかけておくことで、ホコリが溜まるのや傷がつくのを回避できることも。

次に置き場所ですが、電子ピアノの最大の天敵は湿気です。

窓やエアコンのイラスト窓際で外気の雨が当たってしまう場所はもちろん、加湿器を多く使っているような場所には、なるべく設置しない方がよいでしょう。

意外と気がつかないのは、直接エアコンの風が当たるところです。
エアコンの風には多くの水分が含まれているので、湿度が高ければサビの原因になりますし、電子ピアノ内部に水が入り電子回路が壊れることもあるからです。

また、窓の近くなど、ずっと直射日光が当たるような場所は、内部の温度が上がることで部品が歪んだり破損する恐れや、電子ピアノ本体の変色につながります。

スタンドのないポータブルタイプの電子ピアノを立てかけた状態で保管するのも、鍵盤の故障につながる可能性があるので気をつけましょう。


値段の高い電子ピアノなら、安いものよりも長くもつんじゃないかと何となく思ってしまいますが、価格や機能の優劣は寿命とは関係がありません。

ただ、高価な電子ピアノの方が複雑な作りになっているので、もしかしたらシンプルで安価な電子ピアノの方が故障しにくいと言えるかもしれませんね。